第10回 笑顔が広がる、交流の輪が広がる「大手ボッチャサロン」(港区大手)
6月28日、真夏のような暑さの午後、名古屋市港区・大手小学校の体育館で開かれている「大手ボッチャサロン」を訪れました。第2・4土曜日の午後に開催されるこのサロンは、地域住民が集う場として定着しています。初対面でも楽しめるよう、くじ引きでグループを決めたり、お茶菓子を用意したり、会話が生まれる工夫がなされています。運営委員による丁寧な準備と心づかいが、参加したくなる雰囲気を作っているように感じました。
町内の大会をきっかけに
現在では50名以上が登録し、常時35名ほどの参加がある人気の活動ですが、始まりは20名ほどの小さな集まりでした。転機となったのは、町内会のボッチャ大会。シニア層を中心とした住民同士の対抗戦が開催されてから、口コミで関心が広がり、参加者が一気に増えました。「きっかけさえあれば人は動く」という好例です。活動を支えるのは、8名の運営委員。他のサロンや学区政などでも活躍している方々で、会場設営から道具の準備、学校や町内会との連絡、ボッチャの審判まで、すべてを担っているそうです。


暑さの中でも集まる理由
取材当日も6月とは思えぬ猛暑。にもかかわらず、12時40分にはすでに30名近くが集まり、体育館は賑わいを見せていました。開始は13時ですが、準備は正午からスタート。
体育館には1か月前にクーラーが設置され、快適な環境も魅力の一つ。「ここに来るだけで熱中症対策になる」と笑う参加者も。「あなたもいかが?」と、休憩中の女性が著者に小さなおせんべいを差し出してくれました。体育館のステージ前にある3つのテーブルには、糖分と塩分補給のお菓子が用意されています。杖をついて病院帰りに立ち寄ったという女性は、「脚を引きずってでも来たい場所」と語っており、サロンの存在が多くの人にとって日常の大切な拠り所になっていることが伝わります。
ボッチャが生むつながり
活動は、準備体操とルール説明から始まり、くじ引きでグループ分けが行われます。これにより、顔見知りだけで固まることなく、自然と新しいつながりが生まれる仕組みになっています。「知らなかった人と話せるのがいい。近所に住んでいても知らない人はいっぱいいる。名前はわからないけれど顔がわかれば、出会った時に話が弾むし安心できる。」との声も聞かれました。
競技としてのボッチャも人気の理由です。「思うようにいかないのがいい」「白い球(的になるジャックボール)に当たると気持ちいい」といった感想が寄せられ、シンプルながら奥が深いゲーム性が、初心者から経験者までを夢中にさせています。
当初は公式ルールでプレイしていましたが、体育館に3面のコートを準備しなくてはなりません。そのため、すでにマーキングしてある体育館のコート線を活かし、ルールを柔軟に調整することになったそうです。代表の谷口さんは「準備するひともシニアなので、無理なく楽しく続けられるようにね」と話します。こうしたささやかな工夫の積み重ねが、自然と人を惹きつけています。


これからも広がる居場所
一方で、課題は「どうやって新しい参加者を増やすか」。アクティブな方は複数のサロンに参加しているので、この地域の住民規模を考えると、交流したくても二の足を踏んでいる方がいると感じているそうです。
1年前から参加している男性は「内輪だけで固まるグループだと参加しにくいけれど、ここは名前を知らない人でも話せる雰囲気でしょ。みんないい人ばかりで温かい」と話し、2回目の参加だという女性は「もっと早く知っていればよかった」と語ってくれました。また、「ボッチャは、障害がある方も参加できるスポーツ。地域の中にいる、おしゃべりに加われない方がもっと参加してくれるといい」との声も。
運営だけでなく、参加者自身が「この場所が誰かの居場所になれば」と願っていることに、胸が熱くなりました。そうした声が自然に生まれることこそ、このサロンの魅力であり、積み重ねてきた信頼の証だと思います。これからも新たな出会いや笑顔が生まれていく大きな可能性ある場所だと感じました。
サロン概要
| 名称 | 大手ボッチャサロン |
| 所在地 | 名古屋市港区大手町3丁目28−28(大手小学校体育館) |
| 開催日時 | 土曜・日曜 8:50〜(雨第2・第4土曜日 13:00〜15:00 |
| 利用者負担 | 無料 |
| 運営 | 港区社会福祉協議会 |
| 申込・連絡先 | 052-651-0305(名古屋市港区社会福祉協議会) |
| 参加方法 | 事前申込不要、当日現地集合で自由参加 |

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