第16回 神宮寺囲碁サロン(港区神宮寺)
毎週水・土曜日の午後に開かれるこのサロンは、囲碁を通じて参加者それぞれが「今この瞬間」に集中する時間を味わっています。長年の経験者と初心者が同じ空間で学び合い、時には名勝負も繰り広げられるこの場には、知的な刺激と安心感が共存していました。
碁盤を囲む静かな情熱
クマゼミの鳴き声だけが響く7月23日の午後。神宮寺コミセンの室内は静寂に包まれ、エアコンのファンの音だけが響く落ち着いた空間です。普段は9人が名を連ねるサロンですが、夏の危険な暑さもあって、この日の参加者は3名。部屋の静けさとは裏腹に、思わず見入ってしまうほどの迫力ある対局です。代表の岩井さんは「他人の手を見ているだけでも面白い」と笑顔で語ってくれました。まさに「傍目八目」です。真剣な空気の中にも、どこか柔らかな信頼関係が感じられるのが、このサロンの魅力です。


はじめに行われた中野さんと岩井さんの対戦では、まるで盤面を見ていないような速さで石が置かれ、その手さばきに唸らされます。この日のハイライトは中野さんと三宅さんの対戦。三宅さんはこのサロンで最も上手な8段で、3手先を読む鋭い感覚が光ります。序盤から、互いの技量がぶつかり合うような攻防が繰り広げられ、最後に勝利をつかんだのは中野さんでした。


中野さんは「子どものころに覚えたが、本格的に始めたのは定年後。考える勝負ごとが好きでね」と語ります。三宅さんは3手先を読む力を鍛え、時には対戦相手の手を見ながら「ああ、そうくるか」と感心し合う場面も。
気軽に集える場所が、日々の支えに
神宮寺囲碁サロンの参加者は、ほとんどが近隣から訪れています。徒歩や自転車、バスを使い、それぞれの生活リズムに合わせて無理なく通えることが、継続的な参加につながっています。雨や暑さの影響を受けることもありますが、気候に左右されない屋内の活動として、囲碁は通年楽しめる貴重な趣味でもあります。
コロナ禍以前は福祉会館で大会があり、そこで囲碁の楽しさに触れた方がこのサロンにも足を運ぶようになったそうです。「初心者向けの講座で始めた」という方もいて、年齢を重ねても無理なく続けられ、対話と学びが同時に得られる活動です。
囲碁を絶やさず、地域に文化を
岩井さんは「ここ独自の“段級”を決めて、まずは楽しくやることを大事にしている」と語ります。囲碁をやる人が少なくなっているという現状に対しては、「寂しいですね」と率直な声も。「布石」、「定石」、「一目置く」、「駄目」、「八百長」など、囲碁に由来する言葉は日常でも多く使われており、趣味としての囲碁にとどまらず、学びや地域の文化資源として広げていく可能性は感じられます。囲碁に触れた経験がなくとも、ぜひ一度足を運び、知的な遊びの奥深さを体験してみてはいかがでしょうか。
サロン概要
| 名称 | 神宮寺囲碁サロン |
| 所在地 | 名古屋市港区宝神町字会所裏724-1(神宮寺コミュニティセンター) |
| 開催日時 | 毎週水・土曜日 13:00〜16:00 |
| 利用者負担 | 500円/月 |
| 運営 | 神宮寺学区有志 |
| 申込・連絡先 | 052-651-0305(名古屋市港区社会福祉協議会) |
| 参加方法 | 当日直接会場へ |

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