〜日々の過ごし方で変わる毎日〜
(文:児玉 由美)
私は、介護保険施設で看護師として5年勤務し、その後ケアマネジャーとして20年、在宅で暮らす高齢者の方とご家族に関わってきました。その後、60歳以上の方が趣味活動や健康づくりを目的に通う福祉会館での勤務を、1年半続けてきました。
日々多くの高齢者の方と接する中で感じるのは、日常の過ごし方によって大きな差が生まれるということです。
自宅で過ごす時間が多い方、外に出て活動されている方。
その違いは、運動面・体力面だけでなく、食事や気持ちの面にも少しずつ表れてきます。
厚生労働省の資料によると、日本人の平均寿命と、元気に自立して過ごせる期間には差があります。
この差を少しでも短くしていくことは、これからの暮らしにとって大切なことです。
「自分の足で歩きたい」
「好きなときに外出したい」
「自分で買い物に行きたい」
そんな毎日を続けていくために、どんなことができるのでしょうか。

年齢とともに、体力や筋力は少しずつ変化していきます。だからこそ、日々の生活の中で、無理のない範囲で体を動かし、人と関わる時間を持つことが大切です。
身近なところに、気軽に出かけられる場所があります。
地域包括支援センターや福祉会館、地域のサロンなどでは、さまざまな活動が行われています。
たとえば、私の住む地域には、社会福祉協議会が行っている「はつらつクラブ」という活動があります。65歳以上の方を対象に、健康体操や頭の体操、レクリエーションなどを行い、楽しく体を動かす時間がつくられています。
ここに参加されている方のお一人をご紹介します。
70歳までお仕事をされていた女性で、退職後、時間を有効に使いたいと考え、チラシをきっかけに参加されるようになりました。
週に1回の参加ですが、体を動かし、他の参加者と会話をする時間がとても良い気分転換になっているそうです。
「健康のために、この先も続けていくの」と笑顔で話される姿が印象的でした。
以前はご自宅で過ごす時間が多かったそうですが、参加するようになってからは「今日は何を着て行こうかな」と出かける準備をする時間も楽しみのひとつになったそうです。
このような時間は、特別なことではなく、日々の生活の中に自然と取り入れることができます。
たとえば、食事もそのひとつです。
「食べることは生きること」と言われるように、毎日の食事はとても大切です。
白米や野菜、肉や魚、海藻、きのこ、乳製品などを、無理のない範囲でバランスよく取り入れていきましょう。

また、外に出て日光を浴びることもおすすめです。
激しい運動でなくても、散歩や軽いストレッチなど、できることから始めてみましょう。
たとえば、歯みがきをしながらかかとの上げ下ろしをする、食事の前に軽く体を動かすなど、日常の中に少し取り入れるだけでも違いが出てきます。
人と話すこと、体を動かすこと、外に出ること。
こうした一つひとつの積み重ねが、毎日の元気につながっていきます。
大きなことを始める必要はありません。
「ちょっとやってみようかな」と思えることを、無理のない範囲で続けていくことが大切です。
また、ご本人だけでなく、ご家族が安心して働き続けるためにも、地域の中にある支えやつながりは大切な役割を果たしています。
それぞれのペースで、自分らしい楽しみを見つけながら、これからの毎日を過ごしていけるといいですね。

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