制度で選ぶ?暮らしで選ぶ?高齢化社会を支える道具の話②
【誤記訂正】20260713 16:49 異なる製品の写真を正しい写真に訂正いたしました。
「まだ早い」と思っている時期が情報収集のチャンス!
新しいモノを使う時には、誰だって戸惑うものです。介護が必要になって、その時に初めて使おうとしても、上手く使いこなせるとは限りません。「最近、歩くのをためらうようになった」「転びそうだから外出を控えている」「荷物が増える気がして」――そんな迷いから、道具を使うタイミングを逃していませんか?
利用者本人がどういう不安を持っているのか、どんな助けが欲しいのか、それを聞き出すにも相応の時間がかかります。まだ早いかもしれない、と思える時期から検討することで、身体の状態にあった道具を見つけやすくなります。
【検討をはじめるときのチェックポイント】
- 手すりや壁につかまって歩いていないか
- 荷物を持つと歩き方が不安定にならないか
- 転倒経験やヒヤリとした場面が増えていないか
- 買い物や散歩を諦めることが増えていないか
- 短い距離でも、座ったり休んだりすることがあるか
目的に合わせて選ぶことが大切
利用者はなぜ歩行器やシルバーカーを必要としているのでしょう。
歩行器は歩く時に身体を支える「福祉用具」で、シルバーカーは買い物や散歩を快適にする「生活用品」です。見た目は似ているものの、用途は大きく異なります。「歩く時に体重を支えたい」「座っておしゃべりしたい」「飲み物やタオルなどの手荷物を入れたい」「生鮮品をクーラーバックに入れて運びたい」など、外出や歩行の目的をはっきりさせることが、使いやすい道具との出会いにつながります。
今回比較する商品
今回は、介護保険で福祉用具貸与になる代表的な歩行器と、人気のシルバーカーを比較します。「利用者が一人で扱えるか」という視点で、仕様を整理しました。いずれの商品も、代表的な通販サイトで購入することができます。
【商品比較表】
| 比較項目 | ハッピーⅢミニ | テイコブリトルHS05 | サニーウォーカーAW-RB |
| 商品写真 | ![]() | ![]() | ![]() |
| 分類 | 歩行車(歩行器) | 歩行車(歩行器) | シルバーカー |
| メーカー | 竹虎 | 幸和製作所 | 島製作所 |
| 代表的な通販サイト | 楽天・Amazon Yahoo!ショッピング | 楽天・Amazon Yahoo!ショッピング | 楽天・Amazon Yahoo!ショッピング |
| 福祉用具としての利用※ | ◎ | ◎ | × 対象外 |
| 用途 | 歩行補助・外出 | 歩行補助・外出 | 買い物・散歩 |
| 大きさ | 中型 | 中型 | 小型 |
| 本体重量 | 6.4kg | 5kg | 4.5kg |
| 修理対応 | メーカー・販売店 福祉用具になる場合は、 特定福祉用具販売事業者 | メーカー・販売店 福祉用具になる場合は、 特定福祉用具販売事業者 | メーカー・販売店 |
| 最大寸法 | 幅51×奥行58 ×高さ84cm | 幅52×奥行64 ×高さ83cm | 幅43×奥行53.5 ×高さ94.5cm |
| 折り畳み寸法 | 幅51×奥行41cm | 幅52×奥行40cm | 幅43×奥行35cm ×高さ68cm |
| 座面の高さ | 45cm | 50cm | 46cm |
| 座面の大きさ | 28×28cm | 28×30cm | 25×18cm |
| 最大使用者体重 | 80kg | 75kg | 80kg |
| 積載荷重 | 8kg | 3kg | 2kg |
| グリップの高さ | 70.5~84cm(7段階) | 65~83cm(7段階) | 86.5~94.5cm(3段階) |
| おすすめ対象者 | 歩行に不安はあるが買い物を外出の機会にしたい人 | 歩行に不安はあるが休憩しながら歩きたい人 | まだ自立歩行できるが手荷物を楽にしたい人 |
シルバーカーを使う方は、「少し歩くのが遅くなった」「買い物帰りの荷物が重い」と感じる段階で購入する方が多いそうです。荷物を運びつつ必要に応じて腰掛けられるため、体調に合わせて歩くことができます。
歩くときにふらついたり、身体を支える必要が出てきたりした場合は、歩行器を検討した方がよいかもしれません。介護保険の貸与制度を利用すれば、身体の変化に応じて機種を変更することもできるそうです。
※介護保険による福祉用具利用には、要介護・要支援認定のほかケアプランに基づく条件があります。まずは、担当のケアマネジャーまたは、地域包括支援センター(名古屋市は、いきいき支援センター)へご相談ください。
まとめ
歩く機会を守ることは、自立した暮らしと家族の安心につながります。介護保険が使える・使えないと単純に区切るのではなく、歩行能力に応じて道具を変えていくことが、自立した生活を長く続けるコツです。道具は、自身の生活に合わせて選び、必要に応じて替えていけばよいのです。早すぎる・遅すぎるはありません。「身体を支えたい」「生活を便利にしたい」という目的をはっきりさせることで、今、自分に必要な一台が見えてくるのではないでしょうか。
【参考資料】
- 介護保険制度の概要(令和7年7月 厚生労働省老健局):https://www.mhlw.go.jp/content/001512842.pdf
- 令和8年介護保険法改正 社会福祉法等の一部を改正する法律の概要について(原則令和9年4月施行、厚生労働省):https://www.mhlw.go.jp/content/001717214.pdf
- 福祉用具情報システム(TAIS):https://www.techno-tais.jp/ServiceWelfareGoodsList.php#search




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