「一人で悩まないで」

~ケアマネジャーは介護の伴走者です~

(文:児玉 由美

「親の物忘れが増えてきた。」
「最近、転びやすくなった。」
「自宅に閉じこもりがちであぶなっかしい歩き方をしている」
「仕事を続けながら介護できるだろうか。」
このような不安を感じ始めても、「まだ介護サービスを利用するほどではない」と考え、誰にも相談せずに抱え込んでしまう方は少なくありません。

しかし、介護は困ってからではなく、「少し気になり始めた時」から相談することで、本人も家族も安心して生活を続けられることが多くあります。その相談相手が、ケアマネジャー(介護支援専門員)です。

※ケアマネジャーへの相談料は無料です。(令和8年8月現在)

仕事と介護の両立に悩む人
ケアマネジャーとはどんな仕事?

ケアマネジャーは、介護が必要な方やその家族が、その人らしい生活を続けられるよう支援する専門職です。
介護保険制度を利用する際には、利用者一人ひとりの生活状況や身体の状態、ご本人やご家族の希望を伺いながら、どのようなサービスを利用すればよいかを一緒に考えます。そして、介護サービスの計画(ケアプラン)を作成し、サービス事業所との調整を行います。

例えば、

  • 自宅でお風呂に入るのが難しくなってきた
  • リハビリを続けたい
  • 買い物や掃除が難しくなってきた
  • 娘である家族が1週間ほど、遠方に行く予定があり、短期間だけ預かってくれるところがないか

など、それぞれの希望や課題は異なります。
ケアマネジャーは、介護保険サービスだけでなく、地域の支援制度や医療機関、地域包括支援センター(※)などとも連携しながら、その人に合った支援を組み立てていきます。地域包括支援センターに相談すれば、ご本人に合ったケアマネジャーを探してくれます。

※地域包括支援センター(名古屋市はいきいき支援センターといいます)
地域包括支援センターは、市町村が設置する施設です。地域住民の保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的として、福祉を専門とする保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員等が、地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行います。

ケアマネジャーは「介護サービスを紹介する人」というイメージを持たれることがありますが、それだけではありません。本人や家族の話を丁寧に聴き、不安を整理し、一緒に解決策を考える「介護の相談役」であり、「伴走者」といえる存在です。

ケアマネジャーにはどんな相談ができる?

「こんなことを相談していいのかな」と遠慮される方もいます。介護に関する相談事例を挙げてみます。
例えば、

  • 介護保険はいつ申請したらいいの?
  • 親が介護サービスを嫌がっている。
  • 一人暮らしを続けられるだろうか。
  • 認知症かもしれない。
  • 仕事と介護を両立できるか不安。
  • 遠距離介護になりそう。
  • 施設へ入るタイミングはいつ?費用はどのくらいかかる?
  • 介護する家族が疲れている。

このような相談は決して珍しくありません。

実際には、介護そのものよりも、「要介護者本人と家族の意向が違う」「仕事との両立が難しい」「今後どうなるのか分からない」といった不安を抱えて相談に来られる方が多くいました。

ケアマネジャーは、答えを押しつけるのではなく、ご本人やご家族の思いを大切にしながら、一緒に今後の方向性を考えていきます。

介護は長く続くこともあります。一度決めた支援方法がずっと続くとは限りません。状態や生活環境が変われば、その都度、支援内容も見直していきます。「相談できる人がいる」という安心感は、介護を続ける上で大きな支えになります。

地域によって利用できるサービスは異なります。介護保険制度は全国共通ですが、実際に利用できるサービスや地域の支援は、住んでいる市区町村によって違いがあります。
例えば、

  • 配食サービス
  • 見守りサービス
  • 移動支援
  • 認知症カフェ
  • 家族介護教室
  • 介護予防教室
  • 高齢者向けの買い物支援

などは、自治体独自に実施しているものも多く、内容や利用条件は地域ごとに異なります
そのため、「知人の地域では利用できたサービスが、自分の地域では利用できない」ということもあります。
また、同じ介護保険サービスであっても、事業所の数や特色、空き状況なども地域によって違います。介護サービスの特色については、地域包括支援センターや担当ケアマネジャーが知っています。
こうした地域ごとの情報を把握しているのも、地域で活動するケアマネジャーの大切な役割です。

地域の制度や社会資源を活用しながら、その地域だからこそ受けられる支援を提案できることが、ケアマネジャーの強みでもあります。

ケアマネジャーは介護の伴走者
介護は早めの相談が安心につながります

介護は、ある日突然始まることもあります。しかし、多くの場合は、「最近少し気になる」という小さな変化から始まります。その段階で相談しておくことで、必要な制度を知り、今後の見通しを立てやすくなります。

「まだ早いかな」と思う時期こそ、実は相談に適したタイミングです。

ケアマネジャーは、介護が始まってからだけでなく、介護に備える段階から相談できる身近な専門職です。介護離職を防ぐためにも、働いている家族は早めに相談してほしいのです。介護しながら仕事を続けていく方法を一緒に考えてくれる専門職もいます。

一人で抱え込まず、不安や疑問を言葉にしてみてください。相談することで気持ちが整理され、新しい選択肢が見つかることもあります。

介護のことに不安を感じたら、担当のケアマネジャーまたは地域包括支援センター(名古屋市は、いきいき支援センター)へご相談ください。

アイデア&ヒント


 

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