第7回 多様な人の居場所「大手日本語教室」(港区大手)
異なる国や背景を持つ人たちが、日本語を通じてゆるやかにつながる「大手日本語教室」は、毎週木曜日に港区の大手コミュニティセンターで開催されています。それぞれの習熟度に合わせてのマンツーマン指導ですが、堅苦しさはなく、テキストも筆記用具もすべて準備されているので、誰でも手ぶらで気軽に参加できます。初めての人も戸惑わないよう「やさしい日本語をゆっくり話す」ことを心掛けているそうです。


「ありがとうございます」から広がるつながり
雨上がりの午後、港区・大手コミュニティセンターの一室に、静かな期待を胸に人々が集まってきます。この日の参加者は10名。赤ちゃんを連れての参加や、仕事をわざわざ休んで訪れる人も。スタッフは4名。教える側と学ぶ側の垣根を越え、「誰かのためになりたい」という思いが言葉に乗って交差します。
はじめに覚えた言葉は「ありがとうございます」。参加者の女性は日本に来て4年。パキスタン語の他に英語と日本語とアラビア語も少しわかるそうです。日本語は、貿易の仕事上で必要な会話や銀行、病院、子どもの学校、出入国在留管理庁でのやり取りには不自由しないけれど、もっと上手くなりたいそうです。「日本語の勉強をすることで、他の外国人の助けになる。」と、誰かのためになりたいという気持ちが、学習意欲につながっています。


「日本人ともっと友達になりたい。」と話す他の参加者は、仕事が休みの日に、日本各地を旅行するのがおもしろいそうです。スマホのアプリを使いこなし、「まだ上手じゃないけれどがんばります。」と次の旅を考えているそうです。
言葉を学ぶ以上の、安心できるひととき
代表の山本さんは、「仕事や家庭や国の事情で、突然来なくなった人もいれば、久しぶりに来てくれる人もいます。ここに来ればまた会える。そんな場所にしたいですね。」と。個人情報は無理に尋ねず、いつ帰ってきてもいいように名札をずっと保管しています。ただの日本語学習にとどまらず「安心できる場所をつくる」という、言葉を超えた思いが伝わってきます。
参加者は、日本語検定にチャレンジする方もいれば、最低限の日常会話を習いたいという方もいます。生活に必要な会話は、スタッフのあたたかいフォローが、学び手の背中をそっと押します。ときには、参加者が他の人に教える場面も。教えることが自信につながり、新たな参加者を受け入れる力にもなっているようです。
開始から4年、着実に活動が認知され、夏休みには、高校生が異文化交流の体験に訪れるそうです。「学びたい」「話したい」「だれかの役に立ちたい」——そんな思いを持つ人が、国や言語や民族を超えて集まる場です。ここでの出会いの中で、言葉を通して生きる力を確認してみてはいかがでしょうか。
サロン概要
| 名称 | 大手日本語教室 |
| 所在地 | 名古屋市港区大手町6-24(大手コミュニティセンター) |
| 開催日時 | 毎週木曜 13:30〜16:00 |
| 利用者負担 | なし |
| 運営 | 名古屋市港区社会福祉協議会 |
| 申込・連絡先 | 052-651-0305(名古屋市港区社会福祉協議会) |
| 参加方法 | 事前申込不要、当日直接会場へ |

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