第11回 月曜午後の隠れ家的な交流「さろん西部」(港区当知)
「さろん西部」は、住宅街の一角で開かれる知る人ぞ知る交流の場。健康チェックやチューブ体操、塗り絵、手芸などを楽しむ活動が行われています。この日も8名の参加者が集まり、40分間の体操のあとは、思い思いにあやとりや手芸を楽しみました。あやとりに使う紐も、参加者がかぎ針で自作するこだわりぶり。家ではなかなかやらないことも、仲間と一緒なら自然と手が伸び、笑顔が広がります。


あやとりの糸がつなぐ
著者が取材したのは、丁度チューブ体操が終わったタイミング。「1,2,3,4」と整理運動の掛け声が響く中、サロン活動に参加してみました。
「今日はあやとりをしまーす」代表の声を合図に、参加者たちが慣れた様子で会場の準備に取りかかります。
手芸用の低いテーブルを手際よく並べていました。「これも筋トレよ」と笑いながら、軽く屈んで脚を開き、絶妙なバランスで持ち運ぶ姿は、まさに生活の中の体づくりそのもの。力仕事ではあるけれど、年齢や体調に合わせて、それぞれが自分のできることを無理のないスタイルで担っています。自然にする協力する光景が、サロンの居心地のよさを物語っていました。
準備が整ったら、いよいよあやとりの時間。輪になって指と指をつなぎながら、複雑に糸を交差させていく作業に、皆が集中します。著者も、数十年ぶりに”一本橋”に挑戦しました。「子どもの頃は簡単にできたのにね」「でも指が覚えてたかも」と懐かしむ声もあり、指先と記憶を同時に呼び起こす不思議な感覚が場を包みます。「家で一人でいる時には絶対にやらない。でも、ここだとやりたくなる」と話す参加者の言葉に、他の人も「そうそう」とうなずいていました。あやとりがただの遊びではなく、人と人をつなぐきっかけになっていることを感じました。


週に一度の元気チャージ
「話し出したら止まらない」との言葉通り、時には「ちょっと聞こえない。もう一回説明して!」と大盛り上がり。近所同士の親しみから会話が途切れず、堅苦しさのないこの雰囲気が、日々のちょっとした楽しみになっているようです。
代表の方は「こういうの(あやとり)は、”はつらつ”で習ったのよ。学んだことをここで皆に伝えられるっていうのもまた嬉しいでしょ」と話します。このサロンでは「高齢者はつらつ長寿推進事業」で学んだことを持ち帰り、ここで広めているそうです。行政の取り組みを、受け身ではなく、関わる人それぞれが役割を持てる構造が、活動に厚みをもたらしています。
参加者の一人は「前は老人会だと思って避けてた。まだそういう歳じゃないと思ってた」と正直に語ってくれました。けれど、一度足を運んでみると、イメージは大きく変わったそうです。「ここで来て若返ったもの」と話すその表情に自信が溢れています。
こうしたサロンの存在を知らない方も、少し勇気を出して扉を開けば、誰にとっても心地よい“自分の居場所”になるかもしれません。
高齢者はつらつ長寿推進事業(通称“はつらつ”)
名古屋市が、65歳以上の方を対象に行っている事業です。名古屋市から委託を受けた各区の社会福祉協議会が、各区内8か所(中川区・緑区は16か所)の会場(コミュニティセンターなど)で実施しています。介護予防や認知症予防、仲間づくりを目的に、自主的な活動や地域のボランティア活動などに参加する機会を作ることで、 お住いの地域で自分らしくはつらつとした生活を送れるようサポートする事業です。
サロン概要
| 名称 | さろん西部 |
| 所在地 | 名古屋市港区当知町8-64-22(当知西部町内会) |
| 開催日時 | 毎週月曜 13:00〜14:30(祝日は休み) |
| 利用者負担 | 無料 |
| 運営 | みなと医療生協当知支部 |
| 申込・連絡先 | 052-651-0305(名古屋市港区社会福祉協議会) |
| 参加方法 | 電話にてお問い合わせください |

コメント この記事へのご意見・ご感想をお待ちしています!