第15回 誰もが楽しめる投球サロン「ボッチャ鯱」(港区港楽)
「ボッチャ鯱」は、2025年3月にスタートしたばかり。名古屋市鯱城学園のOBOGを中心にして始まりました。体温を超える日が続くこの季節、年齢や体力に関係なく誰でも取り組めるのは大きな魅力です。ときに真剣に、そしてときに爆笑しながら、会場には自然とあたたかな雰囲気が広がります。「誰かが落ち込まないように声をかけるのが大事」と話す代表の奥村さんの気配りが、このサロンをさらに居心地のよい場所にしています。ひとりでも参加できる、仲間ができる、そして何より「楽しい」。そんな居場所を、あなたも体験してみませんか。
名古屋市鯱城学園は、高齢者の生きがいづくりと地域活動の核となる人材の養成を目的に、名古屋市が設置し同市社会福祉協議会が指定管理している生涯学習施設です。
「思い通りにいかないのが、いいんです」
使い始めたばかりのボールはまだ固く弾みやすく、思いもよらない方向に転がることも。「どこへ飛んでいくか分からないのがいい」と語る参加者たち。著者もいっしょに参加しましたが、どうやら建物の床にわずかな傾斜がついているようです。「あそこから転がり方が違うのよ。右にカーブするの、見てて」と指をさす様子からも、ゲームへの熱中ぶりが伝わってきます。
そんな予想外の動きもまた楽しさのひとつ。うまくいかなくても「ボールのせいにしよ」「そんなこと言ったらボールに嫌われるわ」など、ユーモアを交えて場を和ませていくのがこのサロンの魅力です。「ボールが言うことを聞いてくれへんのよ」「風がないのに団扇がいるねー、内輪揉めやねー!」――。そんな冗談が飛び交い、会場は終始笑いに包まれています。単なる競技としてだけでなく、互いに笑い合い、声をかけ合うことで、自然と心が解きほぐされていくのを感じます。


“目的のあるつながり”が、日常を支える
「願いを込めて投げまーす!」と元気な声が響くこの場所には、参加者それぞれの理由があります。「ここは3か所目。ボッチャが好きで、他でもやってるの」と話す人もいれば、「来られる日は来てるよ」と自分のペースで参加している人も。中には足が不自由な方もいますが、「どんな人でもできるのがいい」と代表の奥村さんは言います。取材したこの日は、杖をつく方も参加していました。ボッチャは、身体に無理なくどんな人でも参加できる点が大きな魅力です。


「ボッチャ鯱」を立ち上げたきっかけは、鯱城会のフェスティバルでボッチャが種目になったからだとか。皆で参加したい、その気持ちが行動になったそうです。「皆で声を掛け合って喜び合えるのがいいでしょ。幸せホルモンが出てで認知症予防にもなるそうですよ。」と語る奥村さんの言葉からも、単なるレクリエーションを超えた価値が見えてきます。こうした“目的を共有するつながり”が、日々の暮らしにリズムをもたらし、心を前向きにしてくれます。運動が苦手でも大丈夫。まずは1球、投げてみませんか? その一投が、新しい日常への扉になるかもしれません。
サロン概要
| 名称 | ボッチャ鯱 |
| 所在地 | 名古屋市港区港楽2-6ー32(港区在宅サービスセンター3階) 名古屋市港区泰明町1丁目(金シャチ競馬体育館) |
| 開催日時 | 第2・4土曜日の10:00~12:00 |
| 利用者負担 | 無料 |
| 運営 | 港鯱城会 |
| 申込・連絡先 | 052-651-0305(名古屋市港区社会福祉協議会) |
| 参加方法 | 申込不要(当日直接会場へ) |

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