実践的な話題に安心感~加齢性難聴のお話~

第17回 未来へ踏み出す「みんなのわくわくサロン」(港区東海)

「みんなのわくわくサロン」は、地域の人と顔を合わせて語り合うだけでなく、知識を得る学びの場にもなっています。8月6日は、みなと医療生活協同組合協立総合病院の耳鼻科職員を講師に迎え、「加齢性難聴」をテーマにした講座が行われました。印象的だったのは、「75歳以上の約2人に1人が難聴になる」という事実。難聴が進行すると周囲との会話が減り、生活の質や意欲の低下、さらには認知症のリスクにもつながることがあるという説明に、会場からは静かな驚きと関心が広がりました。

「聴こえ」に耳を傾けるきっかけの場

難聴は、年齢とともに多くの人が直面する課題です。生活の質やコミュニケーションに深く関わるため、認知症予防のためにも、早期の理解と対策が大切になるのだとか。

講師からは、「耳鼻科にまず相談することが大切」「補聴器はすぐに効果が出るものではなく、平均で3か月ほどかかる」「購入前に2週間以上のお試し期間がある」といった、実生活に直結する情報が次々と紹介され、参加者たちはメモを取りながら熱心に耳を傾けていました。この日の参加者は女性12名、男性1名の計13名。初めて参加した方も4名います。

耳の模型
耳の模型
講師の協立病院職員
講師の協立総合病院職員

一方的な講演ではなく、団地のラウンジの一角で、参加者が疑問に思うことを問いかけるスタイルです。補聴器の試用期間や医師の診断、確定申告での控除など、参加者の疑問に丁寧に応じてくれます。「補聴器のメンテナンスはどうするの?」「耳掃除だけで耳鼻科に行ってもいいの?」といった問いに対し、講師が「近隣にある補聴器会社の店舗でメンテナンス可能」「耳垢を綿棒でこすりすぎるのはよくないので、気軽に耳鼻科へ」といった、個人の状況に寄り添った具体的なアドバイスもありました。

「今日の話を聞いて、夫を病院に連れて行こうと思う」と話す女性の姿からも、サロンの情報提供が実際の行動につながっていることが感じられます。

また、リラックスした雰囲気の中で会話が盛り上がり、「自分には関係ないと思っていたけど、今日の話で少し意識が変わった」「男の人ももっと参加すればいいのに」「3月3日は耳の日だから受診の目安に(笑)」など、参加者の不安が和らぎ、前向きな姿勢に変わっていく様子を目の当たりにしました。

「つながり」の力が命を守る

代表の矢田さんは、参加者一人ひとりを名前で呼ぶことを心がけているそうです。その思いの背景には、かつて団地で火事が起きた際、難聴が原因で避難が遅れた方がいた、という出来事があります。「手助けが必要な人を救いたいが、個人情報を把握するのは難しい。だからこそ、こういう場で顔を合わせて、お互いの信頼を得ることが大事」と、静かに語る言葉には深い重みがありました。

熱心に話を聞く参加者
熱心に話を聞く参加者
参加者と代表の矢田さん(左)
参加者と代表の矢田さん(右)

社会的にも、難聴と孤立の関連は注目されています。厚生労働省や研究機関によると、難聴が進行することで周囲との会話が減少し、結果として社会との接点が減り、心理的な孤立感やうつ状態のリスクが高まると指摘されています(※)。

【出典】
難聴と「人とのかかわり」について【認知症予防】(国立研究開発法人 国立長寿医療研究センターより)

誰もが年齢を重ねれば聴こえの問題に直面する可能性があります。しかし、正しい知識と気軽に話せる場所があれば、必要以上に不安に思わずに済むかもしれません。

「みんなのわくわく」は、知識を得る場であると同時に、人と人との自然な関わりが生まれる場所です。どんな悩みも一人で抱えずに、誰かと話すことから始まる安心があります。地域での新たなつながりを求めている方、少しでも興味のある方は、ぜひ一度足を運んでみてください。

サロン概要
名称みんなのわくわくサロン
所在地名古屋市港区九番町1-1-1(九番団地ラウンジ)
開催日時毎月第1水曜・第3日曜 13:30〜15:30
利用者負担100円/回
運営みなと医療生協(九番団地支部)
申込・連絡先052-651-0305(名古屋市港区社会福祉協議会)
参加方法申込不要(当日直接会場へ)

サロン紹介


 

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