全盲の僕に見えること~地域移行しています~(第9回)
(文:筒井 安彦)
みなさんこんにちは。iPadライフクリエーターの筒井安彦です。今年もよろしくお願いします。
さて、今回は私が今年、日常生活の中で形にしていきたい活動や、心に描いているビジョンについてお話ししたいと思います。
二つの柱:防災士への道と「障害者相談支援員」
今年、私の活動の大きな柱となるのが、「防災士」の資格取得に向けた本格的な勉強です。そしてもう一つ、仕事として強い決意を持って取り組みたいのが「障害者の相談支援員」としての活動です。
一見すると別々の分野に見えるかもしれません。しかし、私の中ではこの二つは「安心と安全を守る」という一つの大きな流れで繋がっています。災害大国と言われる日本において、障害を持つ方々がどのように自分たちの身を守り、避難生活を乗り切るか。その視点を持つ防災士は、今後ますます必要とされるはずです。
「防災士」と「相談支援員」。この二つをセットにすることで、私の中で支援のあり方や、伝えるべきメッセージがより明確になってきました。大変な道のりではありますが、仕事としてこの両輪を回していくことで、これまでにない価値を提供できると信じています。この詳細については、また折に触れてじっくりと綴っていければと思います。
クリエーター活動の再開:音で届ける「旅の記憶」
そしてもう一つ、私にとって欠かせないのが「クリエーター」としての自分です。しばらくの間、表立った活動は控えていましたが、今年から本格的に再開させることにしました。
新しい音声コンテンツを立ち上げ、さらにはYouTubeのような番組制作にも取り組む予定です。そのテーマは「旅」。この文章が皆様の目に留まる頃には、記念すべき第一回が配信されているかもしれません。
かつて私は神奈川県でコミュニティFMのラジオパーソナリティを務めていた時期がありました。その経験から、言葉と音で
何かを伝えることの楽しさ、難しさは身に染みて理解しています。数年前にはYouTubeにも挑戦しましたが、正直に言えば、それは平坦な道ではありませんでした。「人と同じことをしていても埋もれてしまう」と、私なりに趣向を凝らして努力しましたが、映像制作のハードルは想像以上に高く、一時期は挫折に近い状態を経験しました。
しかし、チャンネルは消さずに残しておきました。いつかまた、自分らしい表現ができる日が来ると信じていたからです。
今回の復活にあたっては、まず「音」に集中することに決めました。
ピンマイクとボイスレコーダーを相棒に、旅先で出会った風の音、街の喧騒、人々の声。それらの「生きた音」を拾い集め、音楽やナレーションを乗せて一つの番組として完成させる。現在はその準備の真っ最中です。
すでに1月の配信に向けた素材は、昨年末に収録を済ませました。今月末には、私が旅先で何を感じ、どんな空気の中にいたのかを、音を通じて皆様にお届けできる予定です。
日常のサイクル:動と静のバランス
2026年の私の生活は、これまで以上にメリハリのあるものになりそうです。
- 平日:仕事と学びの日常
相談支援員としての活動を中心に据え、防災士の勉強に励みます。また、視覚障害を持つ私にとって欠かせないヘルパーさんとの同行援護や、家事援助を受けながら、自立した生活を維持・向上させていく時間です。 - 週末:クリエーターとしての冒険
土日はクリエーター活動を最優先にします。カメラやレコーダーを手に、新しい発見を探しに外へと飛び出します。
こうしたサイクルを作ることで、日常生活に一定の「刺激」が加わります。それは単なる忙しさではなく、生活に張り合いを与え、私自身の感性を研ぎ澄ませてくれるものだと期待しています。
「見えない」からこそ見える景色、伝えたいこと
ここで、読者の皆様の中には一つ疑問を持たれる方もいるかもしれません。
「目が見えないのに、一人で旅に出て撮影や録音をするなんて、危なくないのか?」
「誰か付き添いはいなくて大丈夫なのか?」
確かに、心配してくださる声はよく耳にします。しかし、私は学生時代、一人で歩くための訓練(歩行訓練)をみっちりと叩き込まれました。その経験があるからこそ、私は割と気軽に、そして意欲的に外へ出かけていきます。
知らない土地へ行き、道に迷うこともあります。そんな時は、躊躇なく周囲の方々や近くのお店に飛び込みます。「すみません、〇〇へ行きたいのですが、どちらでしょうか?」と。
すると、驚くほど多くの方々が親切に、丁寧に道を教えてくださいます。そこには、ただ目的地にたどり着く以上の「心の交流」が生まれます。目が見えないからこそ、人との繋がりをよりダイレクトに感じることができる。それは私の旅における最大の醍醐味でもあります。
放置気味になっていたYouTubeチャンネルについても、まずは旅先で撮った写真(これらはヘルパーさんや、時には私が感覚で撮影したものです)をリール動画としてアップすることから再開しようと考えています。
おわりに:2026年、共に歩んでいきましょう
防災、福祉、そしてクリエイティブ。
2026年の私は、この三つの交差点に立ち、自分にしかできない発信を続けていきます。
時には壁にぶつかり、立ち止まることもあるでしょう。しかし、その過程さえも一つの「物語」として共有していければと思っています。私の発信が、誰かの一歩を後押しする小さなきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。
新しい「音の旅」、そして防災士・相談支援員としての歩み。
今年も筒井安彦の活動を温かく見守っていただければ幸いです。
さあ、マイクを持って、新しい景色(音)を探しに出かけましょう。
次回もお楽しみに!
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【編集部より】
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